第238章 光芒
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ピークが、やられた。
腕を食いちぎられて、血が噴き出している。
「腕が、治れば……まだ戦える……!」
「限界だろ!!」
まだ戦おうとするピークを抱えて、一旦後退する。
ピークはそもそも立体起動装置をつけてねぇから、人型に戻った時にこの戦場から足を踏み外すだけで落ちて即死だ。ピークをすかさず脇に抱えると、俺の後ろで巨人と戦りあってたアーチさんがこちらの状況を見て、指示を飛ばした。
「ジャン、ライナーの元まで一度下が――――っ!!」
「はい――――……っ!!」
いや、まずい。
ライナーは歴代の戦鎚の巨人たちの生成した槍に体を何か所も突き刺され、息も絶えそうな状態だ。あまりの絶望的な光景に体が一瞬硬直した俺の背後両サイドから、別の巨人の気配がした。が、アーチさんが瞬時に駆けつけてくれ、一体の顎を裂いた。
バランスを崩したアーチさんに向かって腕を振り上げるもう一体の大型の巨人。
と、更にその後ろには……鋭い顎と牙を持った、レベリオでもシガンシナ区でも戦りあった相手……顎の巨人が、大きな口を開けてアーチさんの方へと近づいてきていた。