• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第238章 光芒







「クサヴァーさん。」






ジークさんは、眼鏡をかかけた男性をそう呼んだ。その男性は、柔らかく、微笑んだ。





「俺たちの望みは叶わなかったよ……安楽死計画は間違っていなかったと今でも思う……。でも……あなたとキャッチボールするためなら、また……生まれてもいいかもなって……。」





その横で悲しげに微笑むエレンとジークさんのお父さんに向かって……ジークさんは、まだ溶け切れていないわだかまりを残したままの表情で、言った。





「……だから……一応感謝しとくよ。父さん……。」





ジークさんはけじめをつけた。前を向こうとした。

――――だから僕も。

君に言うよ、ちゃんと。






「――――ベルトルト。僕は君からすべてを奪った。命も……力も……大切な記憶も……だからわかるんだ。ここでじっとしてられない。」






時折君は僕の頭の中に……現れた。

君はいつも悲しそうだった。

それはなぜか。

君を食らいすべてを奪った僕への怒りか、悲しみか。



それとも……君はもともと優しすぎるところがあるから……自分の悲しい運命を引き継がせてしまったと……僕を、心配してか。



見上げたベルトルトは、やっと……少し、笑ってくれた。









「力を貸してくれ。」









僕とジークさんの言葉に、そこに現れたみんなは小さく口元に笑みをこぼして、頷いた。







/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp