• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第238章 光芒







「……それは。」





ジークさんが初めて、僕に興味を示した。いや、僕にじゃない。僕の持つ、枯葉に、だ。





「これは……砂に埋まってました……。」



「……なぜそれが……。」



「さあ……でも……僕にとってこれは……増えるために、生きるために必要でも何でもないけど……すごく大切なものなんですよ。」





その枯葉に、ジークさんもまた何か大切ななにかを思い出したのか。そのあとに続けたジークさんの言葉は、少し僕には違和感があって……そう、ここは “道” 。常識など覆される空間だ。もしかしたら……ジークさんの目には、何か違うものに映っていたのかもしれない。





「あぁ……そうだ。ただ投げて。取って……また投げる。ただそれを繰り返す。」





僕はそっと、ジークさんが目を細めて愛しそうに見たその手に掴んだ何かを、ジークさんに手渡した。





「何の意味も無い……でも……確かに……俺は……ずっとキャッチボールしてるだけでよかったよ。」





そう呟いたジークさんの背後には、無数の人影があって……ジークさんのかけていた眼鏡と同じ眼鏡をかけた、優しそうな男性や……エレンのお父さん。

ユミルまで……ジークさんに感化されて、ここに集まってきたのかもしれない。



そんな僕の背後に、彼もまた、いた。

振り向いて見上げた彼に、僕はなんて言葉をかければいいのかわからなかった。

虫のいい話。

都合のいいお願いだとわかってる。



だけどそんなこと言ってる場合じゃないんだ。

みんな、戦ってる。



/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp