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【進撃の巨人】片翼のきみと

第237章 憂悶





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ファルコの背に回収されて驚いた。

そこにはガビもいたから。まさかファルコが巨人化して空を飛ぶなんて想像もしていなくて、とにかく驚いた。でも戦いの経験値がないこの子達だけではこんなに的確に、タイミングよく私達を回収などできなかったと思う。



――――アニのおかげでなんとか助かった。



あんなに『もう戦いたくない』と言っていたのに、結局のところこの子達だけを戦場に向かわせることができずに動いてしまう彼女は……少し変わったなと、思う。

おそらくそれはアルミンの力、かもしれない。





「……それでアルミン……、いやピークは?どういう状況?」





この場にアルミンとピークがいないことに不安を抱えてアニが私に尋ねた。





「アルミンは巨人に囚われて命が危ない。アルミンを捕らえた巨人は尾骨の方にいるはず。――――アニ、力を貸して。」



「……あんたの幼馴染は囚われてばかりだね……もちろん取り戻すよ。」





そのアニの表情は船に乗り込むときの表情とはうって変わって、彼女の内側の強さがメラメラと音を立てて滲み出るような、固い決意を表わしていた。



「ねぇ、ピークさんは?!」

「頭骨の方だ!うなじの爆破を狙ったが仙椎の巨人に阻まれている。うなじに爆弾を巻き付けてあるが、起爆装置は押せなかった。」



ピークの姿が無い事に一番動揺を見せたのはガビだった。特に親しく、信頼している間柄だったのか。状況を説明しているライナーもまたその口調はピークの身を案じていることがわかって……私たちとは違う場所で、彼らの繋がりもまた深く濃く作られていたことを理解した。



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