第236章 死線
「エレン!!!」
僕の後ろから、次々にみんなも下降してきた。
立体機動装置でガスをふかしながら速度を上げ、一番に仕掛けたのは―――――ライナーだ。大きな光に包まれて、鎧の姿でライナーは獣の巨人に掴みかかった。
そのおかげで投石が止み、僕たちは始祖の体から突出している骨にアンカーを刺し、その体に降り立つことが出来た。続いて爆薬を持ったピークもまた巨人化し、エレンの頭部の爆破を試みるために頭骨の方へと急ぐ。
「エレン……。もう一度質問させてくれ。」
君はいつも自由を手にしようともがいてた。
でも瞳はキラキラしてた。
ナナさんと一緒に、エレンはよく家の屋根の上に登って壁の向こうの空を指さして笑ってた。
そんな表情のまま、得られる自由は無いのかもしれないって、僕だって薄々分かってた。
――――だけど、もしかしたら。
あの日のあの表情のまま、炎の水や氷の大地……砂の雪原のある世界を共に冒険する、そんな未来があるのかもしれないってまだ僕は、諦められない。
――――君は言った。
『自由を手に入れるため、世界から自由を奪う』って。
――――これが、君の描いた自由なのか?
僕にはとても、そうは見えない。
憎悪に、悪意に、恐怖に雁字搦めにされた君を見て今僕は、とても悲しい。
「『君のどこが自由なのか』って……そこから引きずり出した後……。」
君が間違うなら、僕達が止めてやる。
絶対に。
諦めない。
その姿勢は、君から学んだんだ。
――――ねぇ、エレン。