第235章 決裂
「――――見えて来た……!あそこに、煙が……!」
オニャンコポンさんが指さしたその先には、巨人を引き連れて進む始祖の巨人の姿。
そして……その上空に、人類の意地を見た。
数隻の飛行船が上空から爆薬を投下。
空から撃滅を試みた。
――――けれど、それは一瞬だった。
遠くてよく見えなかったけれど、一瞬にして上空で全ての飛行船が爆発して―――……無惨に船体はバラバラになり、燃え落ちた。
「―――もしかして、獣の巨人の投石……?!」
「―――あ?」
私の言葉にリヴァイ兵士長が反応した。私の背中の後ろから、同じ方向を見つめる。
「――――あんな距離を、的確に撃ち抜けるとしたら……獣の巨人の投石か、戦鎚の巨人の……飛び道具ぐらいでは、ないかと……。」
「――――……ああ、ありえる。」
よく見ようとしたのだろう、リヴァイ兵士長は更に身体を前に倒した。顔が、私の肩の横に来て……咄嗟に、私はマントの胸元を合わせてをギュッと握った。
その仕草に……彼が気付かないはずも、なかった。
「――――何を隠してる?」
「些細な事です。お気になさらず。」
「――――………。」
「間もなくです兵士長。ご準備を。」
前を見据えたまま動揺することなく強く言ってのけると、リヴァイ兵士長はオニャンコポンさんに顔を向けた。