第235章 決裂
「お前も……ベルトルトも……アニも……辛かったよな……。」
こんなことになってようやく、理解できることがあるなんて。あの頃、壁を破壊されて絶望の中にいた僕達には、想像もできなかった。
――――だけど、同じなんだ。
僕らも、ライナーたちも……みんな。
コニーの言葉に、ライナーは恐縮したように目を伏せながら、コニーの肩にそっと手を添える。
「もう……贖うこともできない罪だ……残りの人類を救ったって……一生自分を許すことはないだろう。だから……まぁ……せめて残りの人類を救おうぜ……。」
「……そうだな……ライナー。贖うことができなくても……とにかく、やるしかねぇよな……。」
生まれた場所も、育った環境も……教えられた歴史も……なにもかも違う僕達が今、同じ目線で同じ事を考えている。
何が、誰が正しくて、何が間違いだったのか。
それは僕らにもわからない。
「そうだ。俺達は同じだ。ライナー。」
僕と同じことを思い、口に出したのはジャンだった。
「……お前を責める資格なんて無かったんだ……俺は……。人を救うため人殺しになった……。」
「………あぁ……。」
ジャンの言葉を受けてライナーは、何かを思い出すように目を動かした。
「レベリオ襲撃の夜に……エレンに同じことを言われた。俺は……エレンの考えてることが少しわかる気がする……。エレンは……俺達に止めてほしいんじゃないのか?」
その言葉にハッとする。
――――ずっと引っかかっていた。
僕の頭の隅にも。
―――そうか、だから―――……