第232章 愛惜 ※
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「――――っ……あぁ……!」
目を潤ませて、唇を噛みしめながら俺に跨り狭い蜜口を裂くように俺を導き入れながら、堪えきれずに嬌声の一端を小さく発する。
肉欲に従順に俺を自ら体内に咥えこむナナはとてもエロくて綺麗で……何よりも美しい。
ナナの中は俺を早くイかせようとでもしているように、生き物のように蠢いて俺を扱き上げては、射精を促してくる。
――――それでなくても溜まっていて、気を抜けば手短、どころか一瞬で出てしまう。
「ナナ……っ……、いい………!」
体はまだ節々に強い痛みがある。
――――だが今だけは、それさえも凌駕して……俺の感覚全てがナナで満たされていることが心地いい。
「―――鍵、かけといて……っ、良かっただろう?なぁ、ナナ……!」
「――――っ……相変わらず、エロ、兵長……ですね……。」
「うるせぇ……っ、黙って腰振ってろよ、エロ女……っ……。」
俺の言葉にナナはムッとした顔で、ずい、と身体を俺の方に倒して唇を噛んだ。
「その呼び方は……、っ、ぁ……っ、嫌い、です……。」
「ああそうだな。――――お前は可愛い……、俺の、ナナだ……。」
「は、い……リヴァイさん……。」
名前を呼ぶだけでとろんと、感じきっている顔をしやがる。
――――くそ、たまらねぇ。
なんでこんな場所でこんな時にナナを求めたのか……、これは本能に近いのかもしれない。
ナナを置いていく覚悟をした。
あと10秒ナナが遅ければ、今この腕にナナを抱くことはなかった。
それに――――俺は……もしかしたら、次の戦いで生きては帰れないかもしれない。ナナもあの病状だ。いつ倒れてもおかしくない。
だからほんの刹那的な時間であっても、ナナを脳裏に刻みたい。
いつまでも覚えていたい。
この腕に在るうちに、その肌の冷たさも、滑らかさも……、中の熱さも、ナナの吐息も、悩ましい目線も揺れる白銀の髪も全て。