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【進撃の巨人】片翼のきみと

第227章 結託③






「まず……協力者を集める。何ができるかは協力者次第だ。だが君たちや九つの巨人の力が無ければ何もできない。従来の兵団組織は壊滅して……もう私は君達の上官でもない。その上で聞くけど――――……。」





俺の頭の中にあったそれをそのまま、ハンジさんは言い辛そうに言葉にした。そんなハンジさんからの問を……どちらの返答をするにしても勇気と覚悟が必要な問を、ハンジさんが言い終える前に強く引きとったのは――――ミカサだった。






「やります。」







俺もアーチさんも、そして何よりハンジさんも……驚いていた。





「これ以上エレンに虐殺なんてさせたくありません……それが……私達やこの島を守るためであっても……エレンを止めたいんです。」



「ミカサ……。」





その言葉の強さと判断の早さは、ミカサの心はやはりエレンに深く紐づいていることを物語ってる。

――――それはミカサならそうだろうが、俺は……そう簡単に首を縦に振れない。

だってそうだろ。

エレンを止めて、それで終わりじゃない。

その先にまた――――……俺達を滅ぼそうとする勢力との血で血を洗う戦いの日々が待っているなら……エレンの選択……血まみれの世界の上に俺達だけが残るその未来に、身を委ねたっていいじゃないか。

そんなことをまた考え始めた渦を巻く思考に囚われていると、俺の隣のアーチさんも力強く返答をした。







「俺もやります。――――俺の大事な人は、人類の虐殺を望まない。絶対に。――――俺達のためじゃない、エレンのためでもない。世界の人類のためでもない。俺は俺の大事な人の想いを守るために、最後まで戦う。」







アーチさんはまるで俺よりも随分年下の少年みたいに、まっすぐに言った。その言葉を聞いたハンジさんは今は亡きアーチさんの大事な人の死への憂いを含んだ小さな笑みを見せた。







「………そうだね……。君の大切な人は……たしかに、そう願いそうだ。………ありがとう、アーチ。」







俺はこんなに綺麗でも、強くもない。

安全なカードなのかどうか、ちゃんと確かめてから選びたいんだ。



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