第227章 結託③
「――――リヴァイは、無事ではないが生きてるよ。しばらくは戦えないけど……。」
「!!兵長、やっぱり……良かった……。」
兵長の安否に一番に声を上げたのは、アーチさんだった。
その姿は……兵長の背をずっと追いかけていたサッシュ分隊長に重なる。
「雷槍の爆発を至近距離で受けたようでね……重体ではある。――――けど、ナナがついてる。心配ないと私は思ってる。」
「!!ナナ……!!」
「―――やっぱり……無事だったのか、ナナさんも……。」
目を見開いたミカサに、想像通りだったとアーチさんが言葉を零す。その顔は皮肉ったような、でも確かに安堵したような……その顔もまた、サッシュさんによく似ていた。
――――俺は……仲間の生存を簡単に諦めて、自分は早々にこの苦境から逃げようとしていたことに、情けなくて唇を結んだ。
「――――そして、私たちは車力の巨人らマーレ残党と手を組んだ。」
「?!」
ハンジさんが冷静に語ったその現状は、驚くべきものだった。殺し合ってた奴ら。そうだ、数日前まで車力も……マーレ兵も殺すつもりで戦ってた。
それを……手を組むなんてどういうことなのか。
けれどハンジさんの表情を見ればわかる。
それは決してヤケクソというわけでも、何かに折れて流されたわけでもなく、確固とした目的を果たすために必要な手段だとこの人は判断したんだ。
「エレンを止めるためだ。皆殺しは間違ってる。」
――――俺が言えなかったその言葉を真っすぐ、曇りなく意志として告げたこの人は、あぁやはり調査兵団の団長なのだと……強く感じる。
「どうやって止めるんですか?」
できるならそうしたい。でもどうやって……それをミカサが問う。俺だって……止められるなら止めたいと……思ってる。
ハンジさんの返答に希望があると信じて俺達はその言葉を待った。