第227章 結託③
―――――――――――――――――――
俺はどうすりゃいい?
何の答えも出せないまま……無数の巨人たちがあの海の先で罪もない人たちを……子供も見境なく踏みつぶして得られる恩恵を……『仕方なかった』と、享受するのか?
答えが出ないまま気付けば日が暮れて……夜がやって来た。
俺はアーチさんを介抱しながら、月明かりが差し込む廃墟で夜を過ごす。
コニーはファルコを連れてラガコ村に向かった。
それを止めるために追ったアルミン。
俺と同じように……どうしていいかわからず、ただ困惑しながらフロック達と相対した俺とミカサ。
昼間、フロックに言われたとおりイェレナは義勇兵を兵団支部内に集めた。そこで目にしたのは――――……おぞましい光景だ。
フロックはいとも簡単に、イェーガー派への忠誠を誓わないと反論した義勇兵の頭に銃弾を何発もぶち込んで―――……殺した。
そう、顔色一つ変えずに。
まるでフロックはこれこそが俺の生きて来た意味だとでも言うように、誇らしげに言った。
『俺はエレンの代弁者だ。』
エレンの心中を理解している、だからこの島の中にもイェーガー派のやり方に異を唱える異物はいらない。
全て消し去るんだと。
奴のその清々しい表情に、恐怖すら感じた。
……はずなのに……俺は懐柔されそうになった。これから先の俺達は自由だと……英雄として好きな暮らしができるんだと、そう……言われたからだ。
………いいじゃないか、俺達は命をかけて十分戦った。
もう解放されて……この先の人生を、楽に生きても。
だってそうだろ、俺は元々……そういう奴だった。だから楽で高給が保証されていた憲兵団を目指してた……。もともと、人類を救うなんて高い志で調査兵団に入ったわけじゃ――――……。
「………う………。」
「……アーチさん?!」
ずっと眠ってたアーチさんが目を覚ました。傷の手当はしている。意識もどうやらはっきりしているようだ。