第226章 結託②
アルミンは無言で立ち上がって、階段を駆け下りた。
何事かと思いながらついて行くと、予備の立体機動装置を保管してある部屋で立体機動装置をつけ始めた。
「……アルミン、何してるの……?」
「コニーを、追う。」
その言葉に驚いた。
だってもう……コニーがファルコを連れてここを発ってから随分経ってる。追いつけるはずがない。
「今からラガコ村を目指したってコニーには追いつけない。それに……追いついたとしてどうするの?」
「…………。」
ベンチに腰掛け、替刃のカートリッジとガスボンベを固定するためのベルトを装着するために忙しなく手を動かしているアルミンを見下ろす。
「お母さんを人間に戻すことを諦めろって……言うの?」
ベルトを締めていたアルミンの手に、ぎゅっと力が込められてからピタ、と止まった。
「言うよ。」
「……………。」
無謀だと思う。
言われて止めるような意志なら、最初からファルコを連れて行くなんてことをしていない。
「ダメだったとしても……出来る限りのことを行動で示さなきゃいけない。じゃないと……ガビの信用を得られない。あの子が頼りだ。まだどこかに潜んでるライナーや車力の巨人を大人しくさせられるかどうかが懸かってる。」
私には目も向けずに淡々とそれを話すアルミンから、動揺と焦りと不安の様子がひしひしと伺える。
――――珍しくアルミンがとても……イライラしている。