第225章 結託
「――――さて、そうと決まれば私達は行くよ!」
マガト元帥とピークさんの協力を得られたけれど……やっぱり地鳴らしを止めるには力がまだまだ足りない。調査兵団のミカサやアルミン、ジャン、コニー達にも協力を要請するため、ハンジさんとピークさんがシガンシナ区に出向くことになった。
ハンジさんが行けば、調査兵団の子達は間違いなく共に来てくれるだろう。彼らだって、エレンを止めたいはずだ。
それにマガト元帥との約束……イェレナさんを連れて来なくてはならない。また、今後エレンを追う際に、どうやっても船か飛行船などの乗り物を確保し、操縦士を確保しないといけない。――――だから、オニャンコポンさんも連れて来る算段だ。
「ナナ、リヴァイを宜しく頼む。マガト元帥がいてくれるから……何者かに襲われても華麗に守ってくれると思うから心配はしてないけど。」
「……私が、守ります。任せてください。あと……ハンジさん、シガンシナ区で物資調達の際に、医療物資も……特に外傷手当に使える当て布や清潔なガーゼ、包帯類と鎮痛剤をたくさん持って来て頂けると助かります。」
「あぁ了解!」
「それと……。」
「ん?」
「……くれぐれもお気をつけて……。これ、少ないですが飲み水と……兵糧です。僅かでも栄養と水分を補給しないと駄目ですから、持って行ってください。」
エルヴィン団長の時は……いついかなる時でも、一緒に駆けた。夜通し……無茶な大移動をしたのもいい思い出だ。
本当は常に側にいたい。
あなたのその左目の代わりに私を置いて欲しい。身体の負担だけじゃなく、少しでもその心の重荷を分けてもらいたい。
……でも今、リヴァイ兵士長を少しでも快方に向かわせることがいかに重要かも理解している。
――――だから、私も行く、とは言わない。
私はここで、最善を尽くす。
リヴァイ兵士長の看護と……この間に、マガト元帥と……少しでも打ち解けられたら。そんなことをぐるぐる考えながら俯いた私の頭の中を、きっとハンジさんはわかっていて……ふ、と柔らかな笑顔を見せながら、小瓶と兵糧を受け取ってくれた。