第225章 結託
マガトさんとピークさんはしばしの沈黙のあと2人で目を合わせた。完全に納得している顔にはどうにも見えないけれど、マガトさんはリヴァイ兵士長に向けていた銃口を降ろした。
「―――……条件がある。」
「えっ組んでくれるの?!よかった……心強いよ。で、条件って?マガト隊長。」
「……今は元帥です。」
前のめりになるハンジさんを、ピークさんはじろりと睨み付けた。
「ああこれは失礼。マガト元帥。」
「義勇兵のイェレナ。あいつを必ず生きたまま拘束する。そして身柄は我々に預けてもらおう。」
その眼力からは、確かな怒り……いや、殺意に近しいそれを感じる。無理もないか………マーレ軍にいながらにして、密かにジークさんと繋がり、島の悪魔たちを引き連れて本国の強襲に加担し、マーレにとっては大参事とも言える今この事態を招いているのだから。
「――――ああ、わかった。リヴァイもナナも、いいね?」
「――――異論ない。」
「はい、私も……。」
マガト元帥にイェレナさんを引き渡せばどうなるか、想像するのも恐ろしいけれど……それでも、私たちはエレンを止めるために、やるしかない。
残酷にも、迷う余地などなかった。