第225章 結託
「私たちは悪魔ではなく、虐殺なんて望んでない。エレンは私たちの仲間だ。エレンが間違ったことをするなら私たちが止める。――――それだけの話だ。……まぁ、その先に世界と対話ができて……この蟠りをいつか解くことが出来る日を、諦めることが出来ずにいるのは事実だけれどね。」
ハンジさんは強く穏やかに言った。
仲間を大切に思う、大事な人を守りたいと思う気持ちは……誰にだって、あるはずで。
あぁそうだ、私はいつかそれを聞いてみたいと願っていた。
「……ピーク、さん?」
「……なに?あなたは誰?」
急に声を発した私に、ピークさんは怪訝そうに眉を寄せた。
「私は調査兵団団長補佐のナナです。一度聞いてみたかったんです。あなた方マーレの……巨人を宿した戦士の皆さんに。」
「………そんな悠長な話してる場合じゃないと思わない?」
「――――大事なことです。」
きっぱりと言うと、ピークさんははぁ、とため息をついて目を逸らし、聞く意志を見せてくれた。
「…………なに。」
「戦士になるには幼いころから辛い訓練を勝ち抜いていく必要があると……聞きました。九つの巨人の力を継承してもそこから13年という命の制約まである……。それなのに戦士になろうとしたのは………誰かの、ためですか……?」
「――――………。」
ピークさんは目を開いた。