第224章 地鳴

俺はアルミンの指示通り、コニーと共にマーレ兵からの襲撃を避けつつ車力の巨人へと距離を詰めた。

地に落ちたジークに止めを刺そうと、壁上から射角の取れない車力は移動を試みる。が、そこに纏わりつくように阻止するのは自由の翼を背負った兵士達だ。





「――――フロック……！」





あいつが戻って来た、なら……やっぱり……イェーガー派の思うままに、事は進んでるってことなのか……。

クソッ……。

次々に変わる戦局。

次に俺達の耳をつんざいたのは、砲撃音でなく……獣の、咆哮だった。





「何？！おい、まさか……っ！！」





窮地に追い込まれてジークがついに、叫んだ。

それは脊髄液入りのワインを飲んだ兵団幹部の人間殆どを無垢の巨人に変えるものだ。




ドドドド、ドォン！！




と大きな爆発音と閃光が区内のあちこちで轟いた。

――――嘘だろ、今ので……ピクシス司令や……ほとんどの兵団の人間が……巨人化、した……。

しかも、ジークの意のままに操られる傀儡として。




その時に俺は見た。




ジークの近くで、レストランで脊髄液を口にしちまったファルコもまた巨人化して……ジークの思惑のまま、ライナーを急襲した。

くそ……できるなら、ガキをあんな姿に、したくはなかった……！だけどこれは戦争だ……。命の奪い合いだ。

だから……揺らぐな。

動揺するな。




ちゃんと見極めろ。



俺が何をすべきか。