第224章 地鳴
移動しながら壁上のジークの動きを確かめたその時、的確に車力に項付近を撃ち抜かれて体勢を崩し、壁上から地へ落ちた。
「!!やられたのか……?!」
そんな簡単にやられるタマかよ、あのジークが……そう、思いながらも胸中はざわついたままだ。
ミカサ達のところに戻ると、コニーにすかさずどやされる。
「おいジャン!!何やってたんだよ?!」
「悪ぃ……!アーチさんが向こうで撃たれて倒れてた!!だが息はある、持ち直してまた戦おうとしてる。」
「アーチさん……拘留班がなんで……やっぱり……。」
アルミンは青い顔で目を伏せた。
それに対してミカサが強い口調で言う。なんだかんだでミカサは……兵長の実力を一番わかってるからだ。
「――――兵長が簡単にやられるわけない。」
「ああ。ただ……生き残った拘留班は、兵長とアーチさんだけだそうだ……。」
「……!!」
その瞬間、みんなの顔が凍りついた。
この、状況で……どうやって……俺達は危機を脱する?
出来るのか本当に?そんなマイナスな思いがよぎる。
だがその時、大きな砲撃音と共にまたエレンを車力の背負う砲弾が襲った。
「駄目だ……っ!!まずはあの車力をなんとかしよう!!二手に分かれて挟み込む!!ジャンとコニーは西から行って!僕とミカサで東から回り込もう!!」
『了解!』
ビビってる場合じゃない。
どんな状況でも、やるしかねぇって時があるよな。