第224章 地鳴
「アーチさん!!なんでここに……。拘留班の奴らはどうしたんですか……?!」
「――――兵長、と……俺、以外は――――……死んだ……。」
「――――………。」
――――嘘だろ。
サッシュ隊長が?
死んだ?
バリスさんも?
――――そんなことが、あるわけない。
だってめちゃくちゃ強い……特にサッシュ隊長は……兵長が認めるほどの強さなのに……。
「………兵ちょ……来る、まで……俺はまだ、戦わなきゃ………。」
アーチさんは朦朧としているのに身体を起こしてまだ戦うと言う。俺は力を込めてその身体を再び横たえた。
「駄目です。死にますよ。こんな状態で戦っても足手まといになる。休んでてください。」
「――――駄目だ、俺にも意地が、ある……!」
「――――俺達を信じてくださいよ。サッシュ隊長の指揮のもと、やってきた俺達を。」
「…………信じてる。だから、行く。時間稼ぎだけでも、一太刀だって入れるだけでも……やれる……。起こしてくれて、感謝する。ジャン。」
アーチさんは一瞬柔らかな表情を見せてから、怪我した身体に鞭を打つようにしてまた立ち上がった。
ナナさんがいれば……適切に治療をしてくれるのに。
――――止めるべきなんだろうと思う。
でも、アーチさんがあまりに腹を括った顔をしたから……俺は、これ以上止められなかった。
「死んでも、知りませんよ!」
「はっ、わかってる。」
アーチさんが少しだけ笑ったから俺は安心して、再びアルミンやミカサの元に戻った。