第218章 再戦
コニーの叫びは、心が……ちぎれそうだと、思った。
きっとコニーは……彼らが本性を表わしたその瞬間まで、一片たりとも仲間を疑ったことなど無かったんだ。
いや、もしかしたら……正体を知ってもなお、信じたいと……想い続けてきたんだろう。
僕たちはコニーを、止めることができなかった。
彼の想いは少なからず……僕達にも、同じように胸の中に、あったからだ。
「何で?!俺達はエレンに加勢して……!!子供を作れねぇ体になんなきゃならねぇんだよ?!オイ?!」
――――でも、そうなんだ。
僕が引っかかるのはそこだ。
エレンの気性から考えても、どうしてもそこだけが腑に落ちない。
「……ッ…待っ……!!」
何かを訴えようとするオニャンコポンに一切それを許さないコニーの腕を、僕は押さえた。
「話を聞こうよ、コニー。」
「お、俺は……本当に……知らなかったんだ……ワインのことや、安楽死計画なんて……。他の義勇兵と同じように……。」
「あぁ?!」
オニャンコポンの言い分を一切信じようとしないコニーに向かって、ニコロさんが口添えをする。
「本当だと思うぞ。俺達はイェレナから口止めされていた。義勇兵にワインのことは言うなと……。」
「何より!!エルディア人の安楽死になんて協力したくない!!俺達はパラディ島を発展させて一緒にマーレを倒してほしかった!そのためにすべてを捨てて島に来た。この島のみんなのために尽くしてきた。」
オニャンコポンが語るその様子は……情けないほど必死で、でもそこにきっと嘘はない。
そう、思った。