第218章 再戦
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飛行船から次々に降下してくるのは、マーレの兵士、そして銃火器……、その中でも、お前がそこにいることが分かった。
案の定降下する途中、そいつは大きな光を発して……、目の前には、もう見慣れた鎧の巨人が地をずん、と鳴らしてそこに降り立った。
――――来いよ。ライナー。
お前なんだろ?
マーレ軍にこんな馬鹿な真似させたのは。
俺達はまるで馬鹿の一つ覚えみたいに……今度こそ因縁の相手と決着をつけるべく、全力でぶつかり合った。
――――もう何度こうして拳を交えたのか。
それでも一向に分かり合えることもなく、決着がつくことも無かった。俺達は似た者同士だ。どちらかが死ぬまでこうして……殺り合うことしかできない。
ライナーの顔面を硬質化した拳で打つ。
始祖の力は強大だ。
所詮派生に過ぎない鎧の巨人の硬質化を、俺の拳は簡単に砕いた。
剥いでやる。
その体全て。
償え、全ての命に報いろ。
轟音が轟く中、ライナーとの攻防の最中に背後から嫌な気配を感じる。
――――顎か。
だが俺に死角はない。脊椎の部分から棘状に、戦鎚の力で硬質化の槍を生み出す。
だが、万全の顎の爪と牙には部が悪く――――……一瞬でそれは砕かれた。
――――知ってたよ。
それは囮だ。
顎が俺に背後から襲い掛かったと同時にライナーも、正面から俺に掴みかかる。
間合いに入ったな。
まったく、便利な力を持ったもんだ。
ごごご、と一瞬の大きな音を立てて、地中から複数の槍を精製すると……二体の巨人は地面から串刺しになった。
身動きがとれなくなりゃ、雷槍で項を吹っ飛ばされて――――終わりだ。
そう、思った瞬間。
とてつもない衝撃と共に、視覚も聴覚も、全ての感覚が一瞬遮断された。
こめかみに何かを被弾した。
―――――なんだ?何が起きた?
ぼんやりと見えたのは、俺の脳みそが飛散した様子。
修復するまで、まともに動けそうにない。
――――だが、動かなくても意志一つで戦鎚の力は使える。