第218章 再戦
「ところで……まだ始祖の力は使わないの?ジークはどこ?」
「すぐにわかることだ。あんたが示す仲間の位置が確認できればな。」
周りにはイェーガー派の兵士が、ピークに照準を合わせて取り囲んでいる。変な動きをした時点でイェレナの命令によりピークもガビも……蜂の巣になる。
強い風が吹きすさぶ音だけがして……、ピークの一挙手一投足にその場にいた全員が唾を飲んだ。
「そこ。」
振り返ったピークは、俺を指さした。
その意味を測り兼ねたその一瞬で、ピークはガビを抱きかかえて伏せた。嫌な地響きと足元の岩板が砕ける音と共に、俺の足元から現れて岩板ごとその強靭な顎でかみ砕いた、それは顎の巨人だった。
俺は辛うじて身を捩って――――、体が丸ごと飲まれることは避けた。
食いちぎられたのは足だけ。
――――だが、俺の本体を食わなきゃ意味ねぇよ。
残念だったな。
俺はそのまま巨人の体を纏い、この戦争を受けて立つ。
―――――どうせ単身で2人だけの派遣なわけがない。いるんだろ、どこかに。
巨人化した俺が見上げた自由の空に見えたのは、5隻の飛行船。
――――やる気なんだな。
俺と。
また……何度でも、俺とお前は決着がつくまで。
そうだったよな、昔から。
あいつがそこにいることが、なぜかわかった。
――――なぁ、ライナー。