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【進撃の巨人】片翼のきみと

第216章 片生







「おい!!人の……っ……体の一部が、落ちてる……っ……!」





兵士の一人が、成人男性の腰から下の部位が転がっているのを見つけたようだ。





「一体何が………?!」





とにかく現状を調べるほかないと、荷馬車に近付く。





「ハンジ団長、勝手に動かないでください!」



「……荷馬車が吹き飛ばされたのか……?」





だとしたら……誰が乗ってた……?

そしてなぜ、様子のおかしい巨人がいる……あいつは何だ……?辺りを見回すと、緑の草むらの中に……とても見えづらいけれど、深緑の調査兵団のマントを着用した兵士が倒れているのを見つけた。





「誰かいる!!!」





救える命があるかもしれないと、馬を降りて駆け寄る。





「オイ!!生きてるか?!」





――――私は震えた。



あなたのあんな姿、見たくなかった。






あなたがこんなになるなんて――――……何があった?





ねぇ、どうして……。











「………リヴァイ……?」











雷槍の爆発を資距離から受けたか。

その姿はかつて見たこともないほど血塗れで、いくつもの破片が顔面に突き刺さって……顔を大きく盾に裂いた傷跡。

口からも鼻からも、大きく血を吐いた痕がある。




――――内臓が、やられてる。




最愛の友の変わり果てた姿に私は一切取り乱さなかったのは、まだ辛うじて脈はあったからだ。今にも消え入りそうだが、確かに鼓動を感じる。




――――すごいね。

さすがアッカーマン……だからか、それとも……あなたのことだ。ナナのところに戻るまで死ねないっていう、執念かな。なんとかこの場を乗り切って逃げる。

――――それだけを考える。

取り乱している場合じゃないんだ。目の前には濁流の川。なんとかすれば……ここに飛び込んで、下流まで……逃れられないか。

なんとか……隙が、あれば。



そう、色んな思考を巡らせている間にフロックが私のすぐ背後までやってきた。



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