第18章 聖夜 ※
「そういや、誕生日だ。」
リヴァイ兵士長は目線を斜め上に向けて、とてもつまらないことを思い出したとでもいうように言った。
「………誰の……?」
「俺だな。」
「え………?!」
「あ?知らなかったのか?じゃあ今日は何の日なんだよ。」
私は驚きと興奮が隠せず、リヴァイさんの手を両手でがしっと握った。
「……救世主……っ?!」
「……なんのことだ。」
ソファに座って紅茶を一緒にすすりながら、私はワーナーさんの家で読んだ絵本の事を話した。リヴァイさんはただ話を聞いてくれていた。
「―――――――すごくないですか?」
「そうか?そんな得体の知れねぇおっさんと同じ誕生日だからすげぇと言われてもな。」
………確かに。
聖夜だから祝うわけじゃない。
今日がリヴァイさんの誕生日なら、リヴァイさんがこの世に生まれてきたことを、祝う日なんだ。
私は改めてリヴァイさんの方に向き直した。
「リヴァイさん、お誕生日、おめでとうございます。」
「………あぁ。」