第18章 聖夜 ※
「ああ、今日は団長が不在だから、補佐の業務がないのか。」
「そうなんです。」
「じゃあ今日はゆっくりでき―――――――」
「おいナナ。」
二人とのやりとりが楽しくて、気付かなかった。
後ろからリヴァイ兵士長が私を呼んだ。
「はい。」
「お前に手紙が来てた。………おおかた、こないだの会食の後の話だろ。後で取に来い。……あと、エルヴィンがいなくて手が空いてるなら、資料の整理を手伝え。」
「は、はい。」
必要最低限の事だけを言い渡して、リヴァイ兵士長は行ってしまった。
「ゆっくり、できそうにないね。」
「うん………最近、団長も兵士長もお忙しそうだから……できることはやらなくちゃ、ちょっと、行くね。リンファ、明日こそはたくさん話したいことがあるの、付き合ってくれる?」
「………もちろん。あんまり働きすぎるなよ?」
「うん、ありがとう。」
私は兵士長のあとを追うように、執務室へ向かった。
「――――――なぁ、あれが本当に好きな女に向ける態度か?」
「いや、わかんないよ。部屋に入ったとたん、ものすごい甘やかすタイプかもしれないじゃん。」
「………へこむこと言うな。」
「………まぁまぁ。ちょっと食堂で飲んでこうよ。昔話でもしながらさ。」
サッシュとリンファは連れ合って食堂に向かった。