第18章 聖夜 ※
「兵士長と付き合ってんの?」
私は涙目でミルクを飲みながら、どう答えていいのか思案していた。みんなが良く口にする、“付き合っている“という意味がよく分からなかったからだ。
「………付き合っている、という定義を私は理解していないから、なんて言っていいかわからないけど…………。」
「けど?」
「だっ……大好きなの………!」
私は俯きつつ白状した。
何回口に出しても、慣れることなく体温が上がり、私は耳まで赤かっただろうと思う。
「――――――――こりゃ、勝ち目ないわ。」
リンファがちょっと呆れたような眼で私を見た。だけどどこか優しくて、茶化すことなく微笑んでくれた。
「兵士長も、あんたの事が好きって言った?」
「……………………。」
私はすごく考えた。すごくすごく思い返した。
が、好きだと言われた記憶はない。
「え………そっか、なんかごめん。言われてはないんだ。」
「………そうみたい。」
私はしゅんと肩を落とした。
「ま、傍から見てても兵士長はあんたのこと特別に思ってるってわかるからさ。大丈夫だよ。それより、この話はもう結構広まってるから、気をつけな?」
「気を付ける??」
とたんにリンファは険しい顔になる。