第18章 聖夜 ※
そうだ。今日は “クリスマス” だ。
雪が舞い散る空を見上げて、ふと私は昔のことを思い出した。大切な人と過ごす夜だと聞いた。
いつもなら団長補佐の仕事が深夜を回るまであるのだが、今日はあのウォール・マリア奪還作戦の会議でエルヴィン団長は不在だ。
少し自由な時間があるけど……リヴァイさんは、相変わらず忙しいだろうか……。
私はそわそわしていた。
「ナナ、準備できた?朝飯行くよ!」
「うん!」
リンファと共に食堂に向かい、朝食を取った。
「今日は特に寒いね。」
「あぁ、朝っぱらから雪だもんね。嫌なんだよな、雪は………。」
「そうなの?私は雪が降ったら無条件でワクワクしてしまうな。」
「ガキじゃん。」
「………ガキじゃないもん。だって綺麗じゃない?」
私はリンファの言葉に少し頬を膨らませて言った。
「まぁね。だけど一度汚れたらさ、すごく汚くなる……もとには戻らない。だから、嫌い。」
「……そっか。」
「………そういえばさ、サッシュのことこっぴどく振ったんだろ?」
「!!」
私は食べていたパンが喉に詰まってむせ、せき込んだ。
「ごほっ……うっ……………!」
「焦りすぎ。」
リンファはニヤッと笑いつつも、背中をさすってミルクを手渡してくれた。