第17章 蠱惑
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「ねぇリヴァイーーーーほんとさ、気を付けたほうがいいよーーーー?」
「なんだお前は毎日毎日用もねぇのに入り浸りやがって。」
「だってさ、今日も見たよ?私。ナナが告白されてるとこ!」
「……………。」
ハンジの言葉に持っていたペンを握りつぶしそうになる。
「どういう状況だ。」
「もちろん詳しくは聞こえなかったけどさ?何やら真っ赤な顔した男の子がナナに何かを伝えてて、それをきょとんとした顔でナナは聞いてんだけど。ナナがしゃべりながら急に真っ赤になって俯いちゃって。」
「…………。」
「多分あれはさ、『私、リヴァイ兵士長のものなので』とか天然炸裂したこと言ってんだよ!」
ハンジが腹を抱えてケタケタと笑う。
何が面白ぇんだ。俺は気が気じゃねぇ。
「いや―――――――でも、あそこまで態度に出てたら、告白した方も勝ち目無しって思うだろうし、私はあれが一番良い方法だと思うよ!」
「…………。」
「かわいいねぇ。初恋ってやつだねぇ。………よりによって、こんな奴にねぇ。」
俺の頭をポンポンと叩きながらハンジは嘲る。
「……刻むぞ。」
「リヴァイが開花させちゃったんだよ、ナナの魅力と色気を。せいぜい目を光らせておくんだね!………まぁ、よっぽどの奴じゃなきゃ、手も出さないだろうけどさ!」