第202章 開戦②

「うわぁあああああ銃撃だ！！！！避けろ！！！！！」






背に負った機関銃で全方位近い範囲を銃撃するのは、車力の巨人だ。

パラディ島では到底経験したことのないような、連射されるそれに――――……、多くの仲間が、撃ち抜かれて地に堕ちた。



――――そう、思った通りには行かねぇか。




「あぁ！！みんな！！」



「――――チッ……！」



「クソッ、こいつもかよ……！車力の巨人……！」




更に遠くから地響きがする。

胸糞悪いこの足音は、何度か聞いた。





―――――地に、這わせてやる。








「――――獣の巨人！！」








想定外の２体の出現はあったものの……予定通り出てきやがった。



―――――さて、お前の目論見はどこまでだ？

イェレナが拘束するはずだった顎と車力が出てきやがったのは偶然か？

それとも―――――……いや、裏がある可能性が高い。











”逃がすな。殲滅しろ。”











気持ち悪ぃその声で、獣は顎と車力に俺達の殲滅を命じた。

――――これも演技だとすりゃあとんだ役者じゃねぇか。

――――どっちに転んだとしても、そこからお前を引きずり出して――――……直接その髭面に刃を突き立てて吐かせてやるよ。必ずな。









「――――お前ら。」









―――――双方手駒は出揃ったこの局面で……兵士長として命じるのはただ一つ。











「死ぬな。生き延びろ。」











―――――こいつらと共に、生きて帰る。




あいつの元へ。