第201章 開戦
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―――――講演のフィナーレ近く。
最も観衆が注目し、俺達 ”悪魔” を断絶しようと結託するその瞬間に、エレンはど派手にやりやがった。
タイバー家当主ヴィリー・タイバーを叩き潰して食っただけでなく……各国のお偉い方々が観覧する席に突っ込んで……多くを殺した。
広場は阿鼻叫喚の地獄絵図だ。
「――――ちっ……、よくもまぁ派手に……。」
無差別に民間人まで殺すような奴じゃ……なかったと思ったが、俺の検討違いだったのか……。
それともジークに洗脳でもされちまったか。
この作戦を無事終えて……エレンを回収してから吐かせたいことは山ほどある。
――――とその時、広場の中央で巨人発現の大きな光を見た。
「――――来たな。どいつだ。」
「――――兵長、出ますか。」
「――――いや………、あれは……。」
制圧した建物に身を潜めたまま状況を観察する。
今のところ想定外のことは起きちゃいねぇ。発現した巨人が何たるかを確認する暇すら与えず、エレンがその巨人を殴り倒してぐちゃぐちゃにしている。
その瞬間、地面から鋭利な槍のようなものが突如隆起し、エレンの体を貫いた。
「――――な、んだ……あれ……っ……!」
「―――あんな程度じゃエレンは死なねぇ。」
――――だが、エレンが身動きを封じられている間に……その巨人は自らの体を修復し、手には長い獲物を持っている。