第201章 開戦
「――――見えた。……ハンジ団長。みんな……予定通り制圧、明かりを設置できているみたいですね。」
「あぁナナ。ここまでは……予定通り。ここからだね。――――さぁ頼んだよオニャンコポン!」
「任せてくださいハンジさん!!」
ハンジ団長がはっぱをかけると、オニャンコポンはより気合十分に飛行船の舵を握った。
「ナナさん!!随分機首も高度も下がりました!バロネットの位置を戻してください!」
「はい!」
オニャンコポンの横で、ナナさんは操縦の補佐をする。短い期間で飛行原理から操縦方法まで全て覚えたナナさんに、オニャンコポンは度肝を抜かれていた。
知識量的に申し分なく操縦ができるほどだそうだ。
けれど、圧倒的に経験値がないためオニャンコポンの近くで操縦を見習いながら補佐をしている。
「――――ではここから低速低空でレベリオ収容区に侵入。光の道に沿って皆を回収する……。チャンスはその一度きりで乗り遅れれば一巻の終わり。この飛行船が撃ち堕とされてもね……。まったく無茶な作戦だな、本当に。――――アルミン、ナナ。どうやら君たちにはエルヴィンの亡霊が取り憑いているみたいだ。」
ハンジさんがため息交じりに微笑した。
「――――それは、心強くて嬉しいです。」
ナナさんは嬉しそうに首元のネックレスに触れた。
「――――僕達に力を貸してくださるのなら……そうであってほしいですよ。……こうなってしまった以上は……皆とエレンを回収できなければ僕らに……未来はない……。」
――――この数分に、全てが――――……決まる。