第201章 開戦
「―――――戦鎚か。」
見たこともねぇ姿だ。
体長はエレンと同じくらいか……、武器を精製して使う巨人は初めてだ。あの武器も硬質化で生み出せる代物だろう。その硬度と……いくら折っても湧き出る武器は厄介だな……。
「あいつはエレンとミカサ達がやる予定だ。―――それを機に出て、予定通りマーレ軍の戦力を壊滅させる。」
「はい。」
この後上空を通る飛行船。
それに乗り込まなければ終わりだ。
そして……飛行船が撃ち堕とされても終わりだ。
飛行船を狙えるような銃器、兵器はこぞって無力化しておく必要がある。
――――なによりその飛行船には……
ナナが、いる。
一瞬、刃を持つ手に力がこもった。
――――守る。絶対に。
次の瞬間戦鎚は鎚を振りかざして……エレンの頭を狙った。
エレンは硬質化した腕で防ごうとしたようだが、強度がまるで違う。あっけなくエレンの首は吹っ飛んだ。
エレンがその項から姿を現し、今度こそ本体を仕留めようと戦鎚が構えた。
「―――――今だ、ミカサ。」
エレンはミカサの動きを把握していやがったように、動じなかった。雷槍を装備したミカサが戦鎚の背後から項に向かって複数の雷槍を突き刺し、発破した。
「――――行くぞ!!!」
それを合図に全ての機動隊がマーレ兵を奇襲。
――――人と人が殺し合う、本物の戦争が始まった。