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【進撃の巨人】片翼のきみと

第201章 開戦




超大型巨人が発現する際の爆発とそれに伴う衝撃波は凄まじい。――――僕が巨人化するだけで、下手すれば街は壊滅するほどだ。

海上で巨人化して、レベリオの仲間にこちらは順調だと見せつけるためにも……巨人化してしまえば側に浮いている玩具みたいな戦艦を持ち上げ、陸地に向かって投げた。





――――ごめんなさい、ごめんなさい……。





眼下に……泣き叫び逃げ惑う人々の姿が見える。

それにも構わず、壊滅状態になるまで全ての戦艦、武装を破壊する。





――――あぁベルトルト……いつか君が見た景色を、僕も見ている。

なんて惨劇。

君はどんな心情でこの景色を見た?






――――僕と同じ……やるしか選択肢が残されていなかったのだろうと今なら理解できる。

―――――だけどそれを繰り返すだけじゃ、何も解決しないんだ。




だからと言って僕は……ジークとエレンの決行した策に乗る以外の策も提示できなかった。









「――――エルヴィン団長……なら………違ったのかも、しれない………。」










ナナさんはもうすぐ……ハンジさんと一緒に飛行船でこの頭上を通過する。ナナさんはこれを見てどう思うのだろう。

――――人の命を救うあの人が。

彼女の最愛の人と引き換えに生き永らえた僕が……罪もない人たちを蹂躙し殺害するこの様を。



――――せめて調査兵団に、いないでほしかった。



せめて……これ以上人が死ぬところを……僕たちが殺すところを、見ないで、欲しかった。


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