第201章 開戦
――――俺だって、良心くらいまだ残ってる。
――――だからこんなことは……やめれるものならやめたかった。――――だって……俺が人を殺せば殺すほど……ミカサが……アルミンが……ナナが、悲しむ。―――――だがもう、動き出した歯車はどうにもできない。回すしかないんだ。運命のままに、添うように……俺はその終着点に向かうために、突き進むことしか出来ない。
――――それでもライナーのこの様子を見て、いかに世界が残酷で……ライナー達を憎むことが筋違いかも分かる。
一瞬の躊躇があった。
――――だが俺は聞いてしまった。ハッキリと。
”パラディ島の悪魔と!!共に戦って欲しい!!!”
俺達を駆逐する宣戦布告と、それに賛同する歓声と拍手の嵐。歴史が、時代が、国が……俺達を悪魔とみなすのなら………。
俺の大事なものを、奪うと言うのなら………
――――仕方ない。
「――――立てよライナー。わかったから。」
蹲るライナーに手を差し伸べると、ライナーは怯えながら俺の手をとった。
「……やっぱり俺は、お前と同じだ。」
――――ライナーもまた、自分の意志で……突き進んだ。
――――その果てがこんな風に惨めに蹲る結果であっても。それでも。
「―――――多分生まれた時からこうなんだ。」
「………え?」
「―――――俺は進み続ける。」
”世界の平和を願い!!今ここに宣言します!!”
「敵を駆逐するまで。」
―――――守って見せる。
大事なものは、自分の手で。
――――そういう未来に、決まってるんだ。
ライナーが油断した隙をついて、巨人化を発動する。
”パラディ島敵勢力へ!!宣戦布告を!!”
―――その高らかな宣戦布告とともに地下から建物を突き破り、雄叫びを高らかに――――……
ヴィリー・タイバーを民衆の目の前で叩き潰して、食った。
―――――さぁ、ここからだ。