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【進撃の巨人】片翼のきみと

第201章 開戦







”エレン・イェーガーは始祖の巨人を身に宿し……パラディ島の超大型巨人群による襲撃……地鳴らしを発動させることができる。それこそが……我々にとっての一番の危機なのです!”






負傷者と見せかけるためにわざと自分で切断した左脚も、潰した左目も……もう必要ない。巨人の力で修復を始めると、それを見たファルコは……本当に目の前の人物が始祖の巨人を宿す世界の敵であることを理解したようだ。



「――――騙した……!」

「…………。」

「悪いな、ファルコ。お前には助けられた。」

「……何が……、―――――ッ、あの、手紙……!俺に届けさせたあの手紙は……?!どこに……?!家族の元に、じゃ……?!」

「家族あての手紙じゃなかったが……仲間には届いた。」

「あ……ぁあ………!そんな……俺が……まさか……。」



ファルコは崩れ落ちた。

そうだな、お前の行いで―――これからお前の大事な故郷は滅茶苦茶になる。

大切な人も……全て。

――――だがそれも、仕方ないことだ。





「ヴィリー・タイバーの言う通り俺は悪者だ。世界を滅ぼしちまうかもしれない。だが俺にもお前達が悪者に見えた。あの日……壁が破られ俺の故郷は巨人に蹂躙され、目の前で母親が巨人に食われた……。あの日から……」



「――――………。」



「なぁなぜだライナー?なぜ何もしていない人たちがあんな目に……母さんは巨人に食われた?」



「―――それは俺達があの日……壁を破壊したからだ……。」



「なぜ壁を破壊した?」



「……任務に従い、混乱に乗じて壁内に侵入し……壁の王の出方を伺うために……。」



「その任務とは?」



「……始祖を奪還し、世界を救うことが目的……だった……。」



「……そうか。世界を救うためか……そりゃあ……仕方ないよなぁ……。」





――――そうだ、仕方なかった。

俺の言葉にまた俯いたライナーは、小さく言葉を発した。





「お前……言ってたよな……『お前らができるだけ苦しんで死ぬように努力する』って……。あの時……、そのために来たんだろ?」





―――どうやらライナーは俺が復讐をしに来たと、思っているようだ。そんなぬるい……話じゃないんだ。




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