第200章 魔法 ※
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――――次の日の朝、眠るナナの寝顔を見つめながら……もしも、を想像する。
―――もしこの作戦自体が全てジークの罠だったら。
反マーレなどではなく……パラディ島の戦力である俺達をおびき寄せて叩く、その後なんの支障もなくパラディ島を攻めおとす、なんてことになったら。
――――もしエレンが戦鎚や鎧に負けて、敵の手に始祖が落ちたら。
――――もし俺達がしくじって、ナナやハンジの乗る飛行船が撃ち落とされたら。
――――もうナナを、こうして二度と抱けない。
この温かさを感じることも……笑顔を見ることも、声を聞くことも。
「――――リヴァイ、さん……?」
俺が髪を撫でることで気付いたのか、ナナがその目を開いた。目が覚めて俺がいる、それだけのそんな些細なことで、ナナはこの世の最たる幸せでも手に入れたような笑顔で笑う。
――――だから、手放せねぇ。
こんな顔をされちまえば、そこに自分の存在意義を見出してしまう。
「――――行くの……?まだ……早いのに……。」
俺が身体を起こすと、途端に眉を下げて切ない表情で俺の顔にぺた、と手を触れる。
「――――もう一回イってから、行く。」
「!!」
ナナに覆いかぶさって耳を食むと、一瞬怯んだ様子を見せたものの、ナナはふにゃ、と笑って小さく嬉しい、と囁いた。
「―――――ッ、ふ……、ぁ、っ………ん、んっ……」
調査兵団本部の執務室とは違って狭い部屋だからな。
隣に声が聞こえないように必死に唇を噛んで喘ぎ声を堪えるナナの膝を両手で開かせながら、味わうように腰を突き入れる。
「――――ナナ………。」
「……っ、ぁ、っ……ん、くっ……、ふ、ぅ………。」