第197章 回帰
「顔色がよくありません。ずっと机に向かっていらっしゃるでしょう?体の疲労を取りましょう。来てください!!」
「えぇえっ、ちょっ、ナナ!くすぐったい!ははっ!!ひいっ!!」
ハンジ団長の手を引いて、ソファにうつ伏せ状態で横にならせる。エルヴィンにそうしたように、体中のコリをほぐすマッサージを施していく。
ハンジさんはとてもくすぐったいと笑うから、力を加減しながら……ゆっくりと肩から背中、腰へと施術していく。
「――――……あぁ、なんか……安らぐね………。」
「良かった。疲労が溜まってます。少し休んだほうが、執務もはかどりますよ。」
「………うん、そう、かも………。」
施術している間に、相当お疲れだったのだろう、ハンジさんは眠った。あどけないその寝顔を見て、温かい気持ちになる。
眼鏡をそっと外して机に置いて、ブランケットをそっとかける。その間に団長の机に散乱した資料をまとめておく。ついでに、一つ一つ目を通して頭に現状を叩き込みながら。
――――この整理が終わったら……、話をしに行こう。
ちゃんと……。
全ては話せないけれど、私のことをいつでも守ろうとしてくれる彼の元に。