第197章 回帰
「――――ねぇちょっとリヴァイ怖いって。どうせナナが戻ってきたことが不服なんだろうけどさ?もうナナも腹を括って、来ちゃったんだし……、追い返すみたいな目で見ないでよ。」
「――――……戻って来た事をもうとやかく言うつもりはねぇよ。ただ……理由が納得いかない。ちゃんと話せ。本当の理由を。」
リヴァイ兵士長は腕を組んだまま、私をジロリと睨み付ける。やっぱりいつでもあなたは怖い。
なんだってお見通しだから。
――――でも言えない。
だから、上手な嘘で……隠してみせる。
「ずっと言ってます。こんな状態で……せめてエレンが何かを起こしそうなら私は、止められるかもしれない。対話が、できるかもしれないから………帰ってきた、それだけです。」
「――――ちっ………。」
リヴァイ兵士長は舌打ちをしたまま、私の横を通り過ぎて………団長室を出て行ってしまった。
「あぁ気にしなさんな、ナナ。ナナを大事にしすぎるがあまり、だよ。」
「はい……。」
「――――でも後で行ってやって。リヴァイのところ。……もうずっと会えてなかった最愛の存在が……帰って来たんだ。……ここ最近ずっと心が疲れる現実ばかりだったから。――――癒して、あげてね。」
「はい。でもまずは、ハンジ団長を癒すところからです。」
「へ?」