• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第196章 現実




―――――――――――――――――――――


リヴァイさんたちが外の世界へ赴いた事に想いを馳せてみる。





「自動車や、鉄道………飛行船……、色んなものを、見てる……?リヴァイさん。」





穏やかな陽の光の下、緩やかな丘で花を摘む娘を見ながら……空を見上げる。



「りばいさん?」

「ふふ、そうだよ。今頃……リヴァイさんはね、遠くの国の色んなものを……見てるの。」

「おかぁしゃんは、いかない?」

「――――行かないよ。あなたと一緒にいる。それにね、お母さんの分までリヴァイさんが見て来て……教えてくれるから。」



柔らかな髪を撫でながら、どこまで理解できているかな?と思いながら……それを話すと、娘は大きな瞳を私に向けて、満面の笑みを見せた。



「りばいさんに、ありがとうね!」

「うん、そうだね。ありがとうって言わないと……。」



――――外の世界への憧れ。確かにあった。

……でも、私はこの子と過ごす時間を大事にしたい。

だから……ここから想いを馳せよう。



なんて平和な日……このままこの平和が、この子が天命を全うするまでせめて……続けばいいのにと、身勝手な願望を描いてみる。



――――けれど、その次の瞬間、私の体はビクッと震えた。

――――遠くから歩いて来る、見覚えのある人影。

心臓がうるさく鳴る。



待って、なんで……私の居場所を、知ってるの……?



――――調査兵団から、リヴァイさんからの遣いで来た?

ううん、そんなはずない。

だってリヴァイさんは……エレンにさえ、私の居場所を明かしてない。知っているのは、ハンジ団長とサッシュ分隊長だけの、はずなのに……。


/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp