• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第17章 蠱惑




ふと木の上で一息ついていると、風を切る僅かな音がして振り返ると、そこにはリヴァイ兵士長が立っている。

私はビクッと身体が震えた。あまりに気配もなく速すぎて、心臓に悪い……。



「………ナナ、なにも、無かったか?」

「??はい、森の中の訓練は初めてですが、怪我はありません。」

「………違う。あいつに、何もされてねぇだろうな。」

「……あいつ、とは………」



リヴァイ兵士長の心配の意味が掴み切れず、とぼけた顔をしてしまった。



「………やけに頭の回転の早い、いけすかねぇ金髪野郎になにもされてねぇか、と、聞いている。」



リヴァイ兵士長は私の事を睨みながら、小さな声で言った。エルヴィン団長のことをこんな風に言えるのは、おそらくリヴァイ兵士長だけだ。



「あるわけないじゃないですか。怒りますよ。」

「………ならいい。」



私が笑ってみせると、フイッと顔を背けて、だけど私の頭をサラリと撫でて行ってしまった。



「兵服を着てる時はわきまえろって……リヴァイさんが言ったのに。」

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp