第195章 決意
「――――本当に俺の仲間は………家族は……安らかに、争わずにこの先の人生を全うできるんだろうな?」
俺の返答にイェレナは目を輝かせた。だがその横でフロックが眉間に皺を寄せて……微妙な表情をしたことも、俺は気付いていた。
「もちろん。ジークがそのように全て取り計らってくれるでしょう。大切な弟……あなたのために。」
「――――……いいだろう、乗ってやる。」
「――――エレン……!」
イェレナは、やっぱりわかってくれたと言わんばかりに目を細めて嬉しそうに笑った。
「話が早くて助かります。今調査兵団ハンジ団長の提案に則り……調査兵団の面々でマーレに潜入する作戦が練られているところです。それを上手く……使いましょう。」
「――――……ああ。」
「これからはこの頼もしき同志……フロックを仲介役にして、たびたび連絡をとります。作戦は綿密に立てておかないと………ね。」
「ああ。――――わかった。」
こうしてこの日を境に……俺はイェレナとの密会を重ねることになる。
――――安楽死計画に同意したと、見せかけながら。