• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第195章 決意




「――――いや。悪いとは言ってねぇ。信じるように進めばいい。――――俺も、そうする。」



「――――………。」





フロックはこれから大事な役割を担う。

――――だから押さえておく必要がある。

……だが厄介なことにこいつは……ナナにおかしな執着がある。それも含めて行動は注視しておかねぇと。





「――――エレン、本当はゆっくりお茶でもしたいところですが、時間がないので単刀直入に言います。」



「――――……。」





イェレナは埃まみれの壁に預けていた背中を離し、上着についた埃を掃いながら俺に一歩近付いてくる。





「エレン。世界とエルディア双方を救う術は、 “安楽死計画” これを完遂する他にありません。」



「安楽死計画……。」



「そうです。ジークの王家の血筋を持った巨人の力と、始祖の力を持つエレン。君たちが協力すれば……この先永劫に、エルディア人の生殖能力を無くすことができる。そうすれば……誰とも争わずその天命を全うするまで……安らかにこの島で幸せに、エルディア人は滅びる。」



「――――……そんな事を兵団幹部が了承するはずないだろう。」



「そうです。ですからこれは改革です。すでに……我々の計画を進めるうえで障害になりうる兵団の上層部には、ジークの脊髄液入りのワインを振る舞いました。」



「――――有無を言わさず、だな。」



「ジークはあなたを救いたい。あなたを信じているんです。だからあなたもジークを信じて……!」





港が完成した時に初めてイェレナと面と向かって話をしたが……その時にはなんとも真意の掴めねぇ奴だと思った。

――――だが、この時のイェレナの目は……本心を物語っていた。どこまでもジークに心酔し……神と崇め、献身的に尽くす。

厄介で強力な信望者を持ってるな、兄さん。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp