第195章 決意
「ようこそおいで下さいました、ロイ・オーウェンズ様。」
「……こちらこそ、お目にかかれて光栄です。女王陛下。」
「助手兼秘書のエミリー・ブリュームです。わ、私もお目にかかれて光栄です……!」
私が出迎えると、お2人は仰々しく深い礼をした。
「お、お顔をお上げください!私は今女王としてでなく……、孤児院の責任者としてここにいるのです。それに……尊敬する元上官、ナナさんの弟さんにお会い出来て嬉しく思っているのです。」
「―――ああそうでした、女王は元調査兵団兵士でいらっしゃるのでしたね。……エミリーは、見知ってるの?」
「――――ううん、女王陛下が入団される前に私は退団したから……。」
「!!エミリーさんも、調査兵団にいらっしゃったのですか?!」
調査兵団という言葉が出て来ると、つい嬉しくて私は興奮気味に話してしまった。
「え、ええ……。ナナさんの指導の元、医療班に属していました。」
「………!!それはなんてご縁でしょうか……!どうぞ、中で話しましょう!ゆっくりと今後の孤児院の話とともに……調査兵団の思い出話にもお付き合い頂きたいです!」
「もちろん……!」
私があまりに嬉しそうに話したからか、エミリーさんもロイさんもふっと緊張を解いてくれた。応接室に通してお茶をお出しして、これからのこと……そしてこれまでのことなど……沢山の事を話した。
話せば話すほど場は和やかになり、いつしかまるで友人と話すような……そんな心地良い時間が流れた。ずっと気を張っていて、女王としての振る舞いがほとんどだったから……私にとってこの時間はとても、居心地の良いものだった。
……まるで104期のみんなといるような……そんな心地。