第191章 回想②
「――――不安にさせたか?」
「――――……リヴァイ、さんは……っ、……自分の子じゃないかもしれ、ない……子を宿してる、私……なんてっ……、もう、嫌…にな……っ……、もう、終わり、だって………!」
嗚咽の合間に必死に言葉を繋ぎながら大泣きするナナを、とことん甘やかして……抱きしめて、キスをして……俺はここにいると、誰よりもお前の事を愛してると、思い知らせるように―――――甘い甘い、中毒性の毒を盛る。
――――二度と俺から逃げられないように。
「――――落ち着けナナ、過呼吸になるぞ。」
甘く囁きながら頬に、瞼に唇を寄せると、言わせたかったその言葉を面白いようにナナは紡ぐ。
「わ、私……っ……、リヴァ、さ……いないと……ダメ……なの…………。生きて、いけな……っ……、放さないで、お願い…………、リヴァイ、さ…………!」
「俺はお前の腹の子の父親が自分だとか、エルヴィンだとか……そこに執着はねぇぞ。」
「………っ………!」
「俺は父親ってものを知らない。だから自分が父親になれる気もしねぇし……、お前がエルヴィンと添い遂げるつもりでいたことも知ってる。だから俺の子じゃなくエルヴィンの子であったとしても……それはそれでいいと思ってる。」
「――――な、んで………。」
「――――お前の子であることは確かだ。お前の子である限り、お前が愛する子供なら俺は同じように愛せる。同じように守ってやる。お前は俺の全てだと……何度言ったら理解するんだ、お前は。」
「――――リヴァイさん、の……子だったら………?」
「――――……父親というものになれるよう、努力する。お前を嫌ほど抱き潰した責任はとる。どうせ……ガキの頃のお前をそう思ったように、きっと……可愛くて仕方ねぇと思うだろう。」
「――――………。」
「ガキが生まれたら……またお前を嫌程抱く。次にお前が孕むなら……今度は間違いなく俺の子だな。―――どっちにしろ、お前に似てくれてるといいんだが。」
「……っ……リヴァ、イ、さ……。」
「なんだ。」