第191章 回想②
「わたし、おかしい……、ちっとも、いいお母さんに、なれそうに……なくて……っ……。」
――――ナナはずっとため込んでいたのだろう、自分が親になれるような器じゃない、良くない事ばかり考えてしまうということや……体の変化への戸惑い、……エルヴィンへの申し訳なさ……調査兵団に、ハンジに……迷惑をかけることになっていることへの罪悪感などをぽろぽろと涙を零しながら話した。
――――あぁ、ぎりぎりだった。
ナナが壊れる前に上手くやれたと……クソみてぇなことを思う。
俺の膝の上で、体を預けきって……弱い部分を曝け出して泣くナナを抱く腕に、自ずと力がこもる。
――――芯が強く、確固たる意志とひたむきな努力で……何事にも立ち向かっていくナナに惚れてる。
それは今も変わらない。
だが――――……そのナナを、妊娠という揺らぐような事柄があるとはいえ、俺という存在が……俺の態度一つで、言葉ひとつでこんなも乱して弱らせているということに……たまらなく興奮する。
支配欲が、征服欲が満たされる。
それはこの柔く白くか弱い身体を好きに抱いて突っ込んで犯して、鳴かせている時に感じるそれとはまた違う、精神の奥底が満たされるような快感。
たまらなく愛しい。
たまらなく可愛い。
俺の籠の中に、こうして……やっと堕ちてきた。
――――――――――――逃がさねぇよ、一生。