第191章 回想②
「――――話にならねぇ。終わりだ、この話は。俺が一緒に行ける日を候補日に上げて出直せ、クソ馬鹿野郎。」
「――――だってマリアさんは私をエルヴィンのお嫁さんになる女性だと思ってて……!」
「――――………。」
「他の男性と一緒に行ったら……悲しませて、しまう……。」
こんなことをリヴァイさんに言うのも違うとは思ってる。
だから言いたくなかったけど……、でも、そこまで認めてもらえないならちゃんと理由を言わないといけなくて。
「――――病室まで付き添わなきゃいいんだろう。」
「………私が……っ……!」
「――――……なんだ。」
「――――エルヴィンの死をマリアさんに伝えるのは……私が1人でちゃんと、したいんです……!」
「――――……時間がねぇ。俺は行く。また帰ってからだ。」
「――――はい………。」
そう言い残して、リヴァイさんは部屋を出た。
――――朝に兵舎に行く時くらいは、一緒に……行きたかったのにな……。
でもそんなのは私の我儘で。
マリアさんに一人で会いに行くのも私の我儘で。
――――お腹の子の父親がわからないのも………私が悪くて……。
「――――自分の、せい……だから……仕方ない。うん。私も早くハンジさんの……ところへ行かなくちゃ。」
自分の心の軋みに気付かないふりをして、急いで準備をして……私も階段を駆け下りて、兵舎へと急いだ。