第189章 鎹
「――――リヴァ、イ……さ……、ん……、っふ……ぅ……、ぁ、は……。」
ナナの口から漏れ出る吐息と声に感化されて、身体を起こしてナナに覆いかぶさろうとすると、ナナが手で俺の胸を押し返しながら抵抗の意を見せる。
「――――んっ、あの、これ以上したら……明日、私……立て、なくなります……。」
「馬に乗ってからも乗るまでも抱いてやるから問題ない。」
「なんでそんなに元気なんですか……。」
「――――知るかよ。こんなにも萎えずにいつもいつも抱きつぶしちまうようなことになるのは後にも先にもお前だけだ。即ち、お前が悪い。自業自得だ。」
「めちゃくちゃ……。言いがかり……。」
「――――次いつ抱ける?こうして。」
「――――………。」
「抱けなくてもいい。いつお前の声を聞ける?触れられる?――――分からねぇ。もう最後かもしれない。――――そう思うと、際限なく感じたくなる。」
「――――リヴァイさんがそんなだから、私が図に乗るんですよ……?愛されてるって、思ってしまう……。」
「図に乗ればいい。そしてもっと乱れろ。快感に悶えて堕ちるお前も美しい。」
「―――――ぁ……っ……。」
ナナの甘い肌にまた舌を這わせると、潤んだ瞳で俺を誘う。俺を受け入れて、俺のために鳴く。この柔くて暖かくて綺麗なものを、守るために俺はここにいると……甘美な存在意義を与えてくれる。
「――――お前は……まるで麻薬だ。」
中毒に近い、ナナからもたらされる快感を断ち切る術などなく……また全身をくまなく愛でて、舐めて、肌を合わせると、ナナは悩ましい吐息の合間に何度も俺の名を呼んだ。