第187章 海② ※
「―――――痛っ………!」
「――――おいっ……。ナナどうした?」
ナナが何かに刺されたのか、怪我をしたのか……かがんで足に手をやって、蹲る。まくっていたはずのズボンの裾も濡らして俯く姿に、俺は思わずブーツだけを脱ぎ捨てて駆け寄る。
「――――おい、なにか――――………。」
しゃがみ込むナナの肩を引いてその顔を上げさせると、まるで悪戯を仕掛けたガキのような目で俺を見上げた。
「――――来てくれた。」
「……てめぇ……。」
「ねぇほらリヴァイさん、気持ち良いでしょう?波が足を撫でて行く感触、足が砂に沈んで……砂が波で攫われたと思えば、巻き上げられて足が埋まる感触……。入らなければ、知らないままだったんですよ?」
「タチの悪い嘘をつきやがって。覚悟できてんだろうな?」
「嘘じゃないです、何かを踏んだのか痛かったのは事実で……、私を叱りますか?兵士長?」
どうぞ?怖くないから。
とでも言いたそうな勝ち誇った顔がイラつく。思い知らせてやらねぇととな?俺を嵌めようなんて100年早ぇと。
「――――叱るどころか、躾けてやるよ。」
――――こいつは本当にいつもいつもいつもいつも………、俺の努力を無下にしやがる。悪戯のタチが悪くなったのは間違いなくエルヴィンの影響だ。
苛立った目を向けると、ナナは一瞬ぞくりとしたように身を怯ませたが、そんなことには構わずその身体を引き寄せて唇を喰らう。
「――――ん、ぅ……っ……!」