第183章 白状
「――――ロイ、エルヴィンのこと……愛してくれて、るんだね……。」
「――――うん……、大好き、だった……。」
「――――私も、同じ………。」
僅かな言葉を交わして、私とロイは涙を流した。
ロイが私に縋るように、私に抱きついて……お互いの体をぎゅっと温め合いながら、エルヴィンが私たち姉弟にもたらしてくれたものを思い起こしながら、また――――……ありがとう、と呟いた。
「――――話してくれて、ありがとうロイ。」
「………赦せない、でしょ……?」
「――――赦すよ。――――でももう二度としないで。」
「………うん………。」
「――――私は、ロイの思い通りにはこの先もきっとならない。」
「――――……うん………。だからいいんだって……、思い通りにならないから、難しくてもどかしくて、素敵なんだって……エミリーが教えてくれた。」
「――――エミリーが?」
「うん。」
「――――――そう……。」
「――――姉さんにもう一つ……言っておきたいことが、あって……。」
まだなにかあるの?と若干ロイの言葉に身構える。けれど発されたその言葉は……思いがけないものだった。
「――――僕、エミリーが好き……みたい……。」
「――――!!」
思わずロイの肩をがしっと両手で掴んで、その目を見た。
涙でぐしゃぐしゃながらも、照れたように頬を染めて私から目を逸らす。――――なんて、いい顔をするんだろう。初めて見たロイの表情に湧き上がる嬉しさで、ロイを目一杯抱きしめた。