第183章 白状
「わかってる……、ごめん、ごめんなさい……!」
「――――エルヴィンに、なにを言ったの……?」
「――――………。」
姉さんの洞察力もさすがで……義兄さんの態度からなのか、僕の態度や言動から読み取ったのか……僕が義兄さんをそそのかしたことも、感付いていた。
僕にはもうこれ以上なにも隠すことなど無い。
――――姉さんに心底愛想を尽かされようとも、ちゃんと話すと決めた。
僅かに手が震える。
「――――手紙を出した。」
「なんの……?」
僕はあの日義兄さんに書いた手紙の一節を思い返した。
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――――義兄さんに、伝えておきたいことがある。
義兄さんはなにかを勘付いていて僕に……あの言葉を、姉さんを理解する努力をしろと……言ってくれたんでしょう?
――――ご名答だ。
僕は “魔法の薬“ を姉さんに渡している。
姉さんが僕を信じていれば、あの魔法の薬は避妊薬として作用する。
―――――でも信じていなければ……あの魔法の薬はただのビタミン剤になって……あの薬を頼りに交われば、身ごもる可能性は十分にある。
それを知って義兄さんがどうするかは……義兄さん次第だ。
姉さんに本当のことを話してもいい。
――――もしくはこの話は僕との秘密として封印して……姉さんの中にその命を宿してもいい。
――――まぁ僕としては、姉さんが愛する人の子どもを身ごもって戦線から退いて、治療に専念しながら子どもを産む、 “幸せな未来” を望むけどね。
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