第180章 蜜月 ※
今度こそ2人で寄り添って、眠りにつく。
その細い身体を両腕でしっかりと抱いて眠ろうと目を閉じると……ナナはいつか聞いたことのある、異国の言葉の歌を口ずさんだ。
――――あぁそうだ、ナナが入団した日、兵士長という立場で歌わせたあの歌。ナナは歌い終わると、ふっと息をついた。
「―――この歌は……、リヴァイさんのためだけの歌………。」
「――――どういう意味だ。」
ナナは小さく、その歌の意味を話した。
私の影としてそこにいた
太陽の光は届かず きっと寒かったでしょう
私を守るため その生き方を選択してくれた
いつも私を陰ながらに支え、守ってくれた
だから私は明るい場所で夢見ていられた
私を守ってくれるその 美しい横顔は
痛みを隠して生きてきたのだと
私は誰よりも高く飛べる
あなたという風が私を支えてくれるから
あなたがいなかったら きっと今の私はいない
あなたは私だけのヒーロー
「――――あなたは、ずっと昔から……私だけのヒーロー……。」
「そんな大層なもんじゃねぇだろ。性欲に簡単に支配されてるしな。」
「――――それもリヴァイさんだもん……。」
「そうかよ。」
「………ねぇリヴァイさん……。」
「なんだ。」